採用に効くInstagram運用|求人票より先に見られる会社の中身の見せ方

「求人を出しても応募が来ない」「来ても、面接で会社の雰囲気を知って辞退される」。地方の建設会社や製造業、店舗を持つ会社の経営者から、当社がよく聞く悩みです。求人票の条件を少し良くしても、応募の数はほとんど変わりません。

理由は、応募する人が求人票を読む前後に、会社の名前で検索し、Instagramを見ているからです。この記事では、採用に効くInstagramの考え方と、撮る人がいない会社でも続けられる運用の型を、支援現場の経験から整理します。

この記事の要点

  • 応募者は、求人票に書いていないこと(誰と、どんな一日を、どんな空気で働くか)を知りたくてInstagramを見る。採用に効くのは、きれいな写真ではなく「働く姿」
  • 先に決めるのは「誰に来てほしいか」。それが決まると、プロフィール・ピン留め・投稿の型が決まり、求人票とつなぐ導線まで一本になる
  • 見る数字はフォロワーではなく、プロフィールへの遷移と「応募者が何を見たか」。社内はネタと写真だけ出し、編集と投稿は外に出しても続く

THIS ARTICLE

採用に効くInstagramは、この5ステップで組み立てる

1. 来てほしい人を決める

「若い人なら誰でも」をやめ、職種・年代・経験の有無まで絞る

2. 見られる順に整える

プロフィール文・ピン留め3本・ハイライトで第一印象を決める

3. 働く姿を出す

現場の1シーン、先輩の一問一答、決めた理由。3つの型で続ける

4. 求人票とつなぐ

プロフィールリンクは採用ページへ、求人票にはInstagramへの入口を

5. 応募者に聞いて直す

「どの投稿を見たか」を面接で聞き、効いた型を増やす

目次

なぜ求人票より先に、Instagramが見られるのか

採用の相談で、当社が最初に確認するのは求人票の内容ではありません。会社名で検索したとき、応募者の目に何が映るかです。ホームページとInstagramが、求人票より先に会社の印象を決めています。

応募する前に「検索して確かめる」が当たり前になった

求人媒体やハローワークで会社を見つけた人は、応募ボタンを押す前に、ほぼ必ず会社名で検索します。ホームページを見て、次にInstagramを探す。これは若い人だけの行動ではなく、30代・40代の転職者も同じです。店や商品を選ぶときに口コミと写真を見るのと、同じ動きを採用でもしています。

このとき、Instagramのアカウントが無い、あるいは2年前の投稿で止まっていると、「今も元気な会社か分からない」という不安だけが残ります。求人票の条件がどれだけ良くても、確かめる材料が無ければ、応募は次の会社に流れます。

求人票に書けないことが、応募を決めている

求人票に書けるのは、給与・休日・仕事内容・勤務地といった条件です。しかし応募を決めるのは、そこに書けないことです。どんな人と働くのか、一日はどう流れるのか、現場の空気は明るいのか、社長はどんな人か。面接で辞退される会社は、ここが応募者の想像と違っていたことがほとんどです。

Instagramは、この「書けないこと」を見せる場所です。写真と短い動画で、人と現場と一日の流れが伝わります。条件で競うと大手に勝てない中小企業でも、「この人たちと働きたい」で選ばれる余地は十分にあります。

中小企業ほど差がつく理由

大きな会社は、名前を知られていて、口コミサイトにも情報があります。中小企業は、応募者にとって「知らない会社」です。知らない会社に応募する不安を減らす材料は、会社の側が出すしかありません。

裏を返せば、同じ地域の同業他社も、ほとんど何も出していません。建設業や製造業で、現場の様子を毎週出している会社は、地域にまだ数えるほどです。少し続けるだけで「この地域で一番、中が見える会社」になれるのが、今の中小企業のInstagramです。

先に決めること:誰に来てほしいか、何を見せるか

採用のInstagramがうまく行かない会社の多くは、投稿の前に決めるべきことを決めていません。アカウントを作って「とりあえず現場写真を」と始めると、2か月で止まります。先に決めるのは、二つです。

「若い人なら誰でも」では、投稿が決まらない

来てほしい人を聞くと、「若くてやる気のある人」と返ってくることがよくあります。しかし、これでは何を投稿するか決まりません。未経験の20代に来てほしいのか、同業で経験を積んだ30代に来てほしいのかで、見せるものは変わります。

未経験者には、「教えてもらえるか」「怖い先輩はいないか」「最初の1か月に何をするか」が知りたいことです。経験者には、「どんな現場を任せてもらえるか」「道具や設備」「今いる人の技術」が知りたいことです。職種・年代・経験の有無を一つに絞ると、投稿のネタは自然に出てきます。

見せるのは「仕事の中身」「人」「一日の流れ」の3つ

採用のための投稿は、この3つに絞ると続きます。仕事の中身は、何を作り、誰の役に立っているか。人は、誰がいて、どんな顔で働いているか。一日の流れは、朝何時に集まり、昼はどうして、何時に帰るか、です。

この3つが揃うと、応募者は「自分がそこにいる姿」を想像できます。想像できるかどうかが、応募するかどうかの分かれ目です。会社の沿革や理念は、ホームページにあれば十分で、Instagramで繰り返す必要はありません。

見せないほうがいいもの:きれいすぎる写真と、社長だけの投稿

逆に、採用には効きにくい投稿もあります。一つは、プロが撮ったきれいすぎる写真です。会社案内には向きますが、応募者は「本当の現場はもっと違うのでは」と疑います。スマホで撮った、少し雑な現場の写真のほうが信じてもらえます。

もう一つは、社長の投稿ばかりになることです。社長の考えを知りたい人もいますが、応募者が一緒に働くのは現場の先輩です。先輩が映っていないアカウントは、「社長のワンマンでは」という印象を与えかねません。社長は3回に1回で十分です。

アカウントの整え方:応募者が見る順番で

応募者がアカウントを開いたとき、見る順番は決まっています。プロフィール文、ピン留めされた投稿、ハイライト、そして最近の投稿です。この順番で整えると、投稿が少なくても印象が変わります。

プロフィール文に「仕事」「場所」「募集中」を入れる

プロフィール文は、応募者が最初に読む3行です。何の会社で、どこにあり、今どの職種を募集しているか。この3つを入れてください。「地域に愛される会社を目指して」のような言葉は、応募者には何の情報にもなりません。

名前の欄にも工夫があります。「株式会社〇〇」だけではなく、「〇〇建設|群馬の土木・外構」のように、検索で引っかかる言葉を入れておきます。応募者は会社名だけでなく、「地域名+職種」でも探しているからです。

ピン留め3本で、会社の第一印象を決める

Instagramは投稿を3本まで上部に固定できます。この3本が、応募者にとっての会社の顔です。おすすめは、「会社の仕事がひと目で分かる投稿」「先輩の紹介」「一日の流れ」の3本です。採用の時期だけ、1本を「募集中の職種と、応募の方法」に差し替えてもよいでしょう。

ピン留めがないと、最新の投稿3本が顔になります。それが「年末年始のお知らせ」や「資材の写真」では、応募者は何も分からないまま離れます。投稿の数を増やす前に、まずこの3本を作ってください。

ハイライトに「一日の流れ」「先輩」「よくある質問」

ストーリーズのハイライトは、応募者向けの小さな採用ページとして使えます。「一日の流れ」「先輩たち」「よくある質問」「現場」の4つに分けておくと、応募者は知りたいものを自分で選んで見られます。

よくある質問は、面接で毎回聞かれることをそのまま入れます。「未経験でも大丈夫ですか」「残業はどのくらいですか」「資格は会社で取れますか」。応募前に答えておくと、面接での辞退が減ります。

投稿の型:撮る人がいなくても続く3つの型

「現場に撮る人がいない」「映りたがる社員がいない」。これが、採用のInstagramが続かない一番の理由です。当社が建設会社や製造業の支援先で使っている、負担の少ない3つの型を紹介します。

型1:現場の1シーン+テロップのリール

現場の様子をスマホで10〜20秒撮り、テロップを載せるだけのリールです。撮るのは、重機が動く場面、仕上げの手元、休憩中の会話など、どれか一つでかまいません。テロップで「今日は〇〇の工事」「この作業は3年目の社員が担当」と添えると、仕事の中身と人が同時に伝わります。

地方の建設会社の支援先で、雨の中の現場で楽しそうに働く外国籍の社員の動画にテロップを載せたリールを作ったことがあります。もともとは元請けに向けた発信でしたが、作り込んだ採用写真より、こうした何気ない動画のほうが会社の空気を伝えると感じました。採用に効くのは、こういう1シーンです。

型2:先輩の一問一答

社員一人に、同じ5つの質問をして、答えを写真と文字で投稿する型です。「入社のきっかけ」「最初に苦労したこと」「今いちばん面白い仕事」「休みの日」「これから入る人へ一言」。質問を固定すると、社員が変わっても同じ型で作れます。

顔出しを嫌がる社員には、後ろ姿や手元の写真で構いません。答えの中身が人柄を伝えます。答えは本人の言葉のままにして、きれいに直さないでください。「正直、最初の夏はきつかった」のような一言が、応募者には一番信じられる情報になります。

型3:「決めた理由」と「失敗談」

社長や先輩が、何かを決めた理由を短く話す型です。「週休二日にした理由」「この道具に変えた理由」「若手に現場を任せた理由」。決めた理由には、会社の考え方がそのまま出ます。理念を語るより、ずっと伝わります。

失敗談も効きます。「新人の頃にやった失敗と、そのとき先輩がどうしてくれたか」。失敗を話せる会社は、失敗を許す会社に見えます。未経験者がいちばん不安に思っている「失敗したら怒られるか」に、先回りして答える投稿です。

求人票・採用ページとつなぐ:見た人を応募に進める導線

投稿を見て「いい会社かも」と思った人が、そのまま応募できる道があるかどうか。ここが抜けている会社が、意外に多くあります。Instagramと求人票を、両方向でつないでください。

プロフィールのリンクは、採用ページに向ける

プロフィールに置けるリンクは、応募者にとって唯一の出口です。会社のトップページではなく、採用ページか、求人媒体の自社ページに直接向けてください。トップページに飛ばすと、応募者は採用情報を探す手間で離れます。

採用ページがない会社は、ホームページに1ページ作ることをお勧めします。募集職種・仕事内容・一日の流れ・先輩の声・応募フォーム。Instagramで出している素材をそのまま使えば、制作の負担は大きくありません。当社がホームページ制作と採用支援を一緒に受けることが多いのは、この理由です。

求人票には、Instagramへの入口を書く

逆方向も大切です。ハローワークや求人媒体の求人票に、「会社の様子はInstagram(@アカウント名)で見られます」と一行入れてください。紙の求人票や会社説明会の資料には、QRコードを載せます。応募者が検索する手間を省くだけで、見てもらえる確率が上がります。

「一日の流れはハイライトの『一日の流れ』を」「先輩の声はピン留めの投稿を」と、見てほしい場所まで指定すると、さらに確実です。求人票は条件を、Instagramは中身を。役割を分けて、互いに送り合う形にします。

面接で「どの投稿を見たか」を聞く

採用のInstagramで、いちばん大切な数字は、面接でしか取れません。応募者に「Instagramは見ましたか」「どの投稿が印象に残りましたか」と聞いてください。答えが集まると、どの型が効いているかが分かります。

「先輩の一問一答を見て、この人と働けるならと思った」という答えが続けば、その型を増やします。誰も見ていなければ、求人票からの導線が弱いということです。応募者の声は、どんな分析ツールより正確な評価です。

続ける体制と、見る数字

採用のInstagramは、始めるより続けるほうが難しい施策です。繁忙期に止まり、そのまま半年空く。これを防ぐ体制と、途中で迷わないための数字を、最後に整理します。

社内はネタと写真だけ。編集と投稿は外に出してもいい

当社が建設会社や製造業の投稿代行で組んでいる形は、社内の役割を「現場の写真・動画を撮って送る」「今月あったことを一言伝える」の二つに絞るものです。企画・テロップ・キャプション・投稿は外部が行います。社内の負担は月に数回のやり取りだけで、繁忙期でも止まりません。

内製で続けたい会社は、担当者を一人決め、週に1回30分だけ「撮ったものを選んで投稿する」時間を固定してください。美容サロンの支援先では、外部が投稿の型とマニュアルを作り、写真を撮れる若手スタッフが回す形で内製化しました。型があれば、担当者は毎回ゼロから考えずに済みます。

見る数字はフォロワーではなく、プロフィール遷移と保存

採用のアカウントで、フォロワー数を追う必要はありません。応募者は、フォローせずに見て、応募します。見るべき数字は、投稿からプロフィールへの遷移と、リンクのタップ数、そして保存数です。プロフィールに来た人は「この会社をもっと知りたい」と思った人で、保存した人は「あとで応募を考える」人です。

月に1回、投稿ごとのプロフィール遷移と保存を見て、多かった投稿の型を次の月に増やす。これだけで、投稿の中身は応募者が知りたいものに寄っていきます。数字は、Instagramのインサイト画面で無料で見られます。

3か月続けて変化がないときの直し方

3か月、週1本で続けても応募に変化がないときは、投稿の量ではなく、最初に決めたことを疑ってください。来てほしい人が絞れていない、プロフィールのリンクがトップページのまま、求人票にInstagramの入口が無い。この3つのどれかで止まっていることがほとんどです。

代表はマーケター歴27年のうち、事業会社でブランドマネージャーとして人を採用する側にもいました。良い人が来る会社は、条件が良い会社ではなく、「中が見える会社」でした。御社の採用で、応募者の目に何が映っているか。そこを一緒に確かめるところから、お手伝いできます。

よくある質問

採用のためにInstagramを始めるなら、会社の公式アカウントと採用専用アカウント、どちらがよいですか?

中小企業なら、まずは一つの公式アカウントで、お客様向けと採用向けの投稿を混ぜる形をお勧めします。応募者は「この会社がどんな仕事をしているか」も知りたいので、お客様向けの投稿も採用の材料になります。採用専用アカウントは、投稿が追いつかず止まりやすく、フォロワーもつきにくいのが実情です。年間を通じて複数の職種を採用し続ける規模になってから、分けることを検討してください。

フォロワーが少ないままでも、採用に効きますか?

効きます。採用でInstagramを見る人の多くは、求人票や検索から会社名で探してアカウントに来るので、フォロワーの数は関係ありません。見た人が「この会社なら」と思えるかどうかが全てです。フォロワーが100人でも、プロフィール・ピン留め3本・ハイライトが整っていて、現場の様子が毎週出ていれば、応募の材料として十分に機能します。フォロワーを増やすための投稿と、採用のための投稿は別物だと考えてください。

社員が顔出しを嫌がる場合は、どうすればよいですか?

無理に顔を出す必要はありません。後ろ姿、手元、作業中の横顔、ヘルメットやマスク姿でも、人がいることと働く空気は伝わります。先輩の一問一答は、写真を手元や道具にして、答えの言葉だけで人柄を伝えることもできます。また、顔出しに抵抗がない社員が一人いれば、その人を中心に投稿を組み立ててかまいません。大切なのは全員を映すことではなく、応募者が「この人たちと働く」姿を想像できることです。

投稿の頻度は、どのくらい必要ですか?

週1本を目安にしてください。採用のアカウントで大切なのは量より「今も動いている会社だと分かること」です。毎日投稿して3か月で止まるより、週1本を1年続けるほうが、応募者には信頼されます。繁忙期に備えて、現場の写真や動画は撮れるときにまとめて撮り、投稿は後から順に出す形にしておくと止まりません。ストーリーズは、撮った写真をそのまま出すだけでよいので、投稿の間を埋めるのに使えます。

ハローワークや求人媒体だけで採用している会社でも、効果はありますか?

あります。むしろ、そうした会社ほど効きます。ハローワークや求人媒体で会社を見つけた人は、応募前に会社名で検索して確かめるからです。そのときにInstagramがあり、現場と人の様子が見えれば、応募に進む人が増え、面接での辞退が減ります。求人票に「会社の様子はInstagramで」と一行加えるだけで、見てもらえる確率は上がります。媒体を変えるより先に、見られたときの材料を用意するほうが、費用もかかりません。

応募者の目に、御社の何が映っているか。そこから一緒に確かめませんか。

来てほしい人の整理から、プロフィール・投稿の型・採用ページとの導線まで、Practical Marketingが調べて、考えて、提案します。
初回相談は無料、着手金はありません。

無料で相談する→ 採用ブランディングの支援内容→
目次