マーケティングコンサルは何をしてくれるのか|外部を使う判断基準と費用の考え方

「マーケティングを何とかしたい」と思ったとき、まず迷うのは「誰に、何を頼めばいいのか」ではないでしょうか。広告代理店、制作会社、コンサルタント。看板は違っても、どこまでやってくれるのかは外からは見えにくいものです。

この記事では、マーケター歴27年、100社以上の中小企業・自治体を支援してきた代表の現場から、マーケティングコンサルが実際に何をするのか、自社に必要なのはどの形か、費用をどう考えればいいかを整理します。

  • マーケティングコンサルの仕事は「調べる・決める・動かす」の3つ。広告や制作は、その後に出てくる手段にすぎない
  • 外部を使うかどうかは、自社に足りないものが「時間」「知識」「判断」のどれかで決まる
  • 費用は相場ではなく「何を取り戻せるか」で見る。初回相談で確かめるべき5つの質問も紹介

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「外部に頼むべきか」は、この4ステップで判断できる

困りごとを言葉にする

「売上が伸びない」の一歩先、何が起きているかを書き出す

足りないものを見極める

時間なのか、知識なのか、判断する人なのか

関わり方を選ぶ

顧問型・実行代行型・プロジェクト型のどれが合うか

費用を「回収」で見る

月額の大小ではなく、何を取り戻せるかで判断する

目次

「マーケティングコンサル」という言葉がわかりにくい理由

「マーケティングコンサル」と検索すると、戦略を語る会社も、広告運用を売る会社も、Webサイトを作る会社も出てきます。同じ言葉を名乗っていても、やっていることはまるで違います。まずはこの混乱をほどくところから始めます。

広告代理店・制作会社・コンサルは何が違うのか

広告代理店は「広告を出す」のが仕事です。制作会社は「サイトやパンフレットを作る」のが仕事です。どちらも、何を作るか・どこに出すかが決まった後に力を発揮する、いわば実行の専門家です。

一方、マーケティングコンサルの仕事はその手前にあります。誰に、何を、どう届ければ売れるのかを調べて決める。そして広告や制作が必要なら、それを手段として組み込む。順番が逆なのです。

ただし現実には、広告代理店が「戦略から」とうたい、制作会社が「マーケティング支援」を掲げます。看板で判断するのは難しい。だからこそ、相談する側が「自分は何を頼みたいのか」を先に持っておく必要があります。

中小企業で起きがちな「手段から入る」依頼

ご相談の多くは「ホームページをリニューアルしたい」「Instagramを始めたい」「広告を出してみたい」という形で届きます。手段が先に決まっているのです。

話を聞いていくと、本当の困りごとは別のところにあることがほとんどです。既存客の紹介が減ってきた、若い層にまったく届いていない、営業が属人化していて社長が抜けると止まる。こうした問題は、サイトを新しくしても解決しません。

手段から入ると、制作会社や代理店は「言われたものを作る」ことになります。それ自体は悪くありませんが、効かなかったときに「なぜ効かなかったか」を誰も説明できない。この状態が、マーケティング予算を無駄にする一番の原因だと感じています。

代表の所感:相談の7割は「何を頼めばいいか分からない」から始まる

これまでの相談を振り返ると、体感で7割は「何を頼めばいいか分からないが、このままではまずい」という状態で始まっています。これは恥ずかしいことではなく、むしろ正直で健全な入口です。

逆に「SEOをお願いします」と手段を指定して来られた場合ほど、私は一度立ち止まってもらいます。SEOで集めた人が、本当に御社の買い手なのか。そこを確かめずに走ると、半年後に「アクセスは増えたが売上は変わらない」という結果になりがちです。

マーケティングコンサルの最初の仕事は、この「困りごとを言葉にする」作業を一緒にやることです。ここができていれば、その後に広告を使うにしても制作をするにしても、判断の軸がぶれません。

コンサルが実際にやること|調べる・決める・動かす

では、具体的に何をするのか。私たちの支援は、大きく「調べる」「決める」「動かす」の3つに分かれます。どの会社でもこの順番は変わりません。

調べる:市場・顧客・競合・自社を、数字と現場で見る

最初にやるのは現状の把握です。売上の構成、客単価、リピート率、問い合わせの経路といった社内の数字を見ます。同時に、競合がどんな打ち出し方をしているか、お客様がどんな言葉で探しているかを外から調べます。

ここで大切なのは、数字だけで判断しないことです。可能な限り現場に足を運び、店頭や工場、営業の同行で「お客様が実際に何を見て、何を聞いているか」を確かめます。数字に表れない強みは、たいてい現場にあります。

この段階は、社長や担当者にとって「自分たちのことを他人の目で見直す」時間でもあります。「そんなことが強みなんですか」と驚かれることが、本当に多いのです。

決める:誰に・何を・どう届けるかを1枚にする

調べた結果をもとに、「誰に・何を・どう届けるか」を決めます。ここが戦略です。分厚い資料は要りません。A4一枚に収まる程度に絞り込めていないなら、まだ決まっていないのと同じです。

この1枚があると、その後のすべての判断が速くなります。「この広告を出すべきか」「この展示会に出るべきか」と迷ったとき、1枚に照らせば答えが出る。社員が自分で判断できるようになるのも、この1枚があるからです。

戦略の立て方そのものは、中小企業のためのマーケティング戦略の立て方で詳しく書いています。

動かす:施策の実行と、月1回の判断の場

決めたら、動かします。サイトの改修、SNSの運用、広告、営業資料、採用の打ち出し。何を使うかは戦略次第ですが、ここで初めて「手段」が出てきます。

Practical Marketingでは、この実行部分も含めて引き受けます。社内に担当者がいなくても回るように、調べて、考えて、作って、月1回の打ち合わせで判断していただく。御社側に宿題を残さない形にしているのは、中小企業の現場で「やる時間がない」が最大の壁だと知っているからです。

そして、動かした結果を数字で振り返り、次の打ち手を決める。この繰り返しが、マーケティングを「やりっぱなし」にしない唯一の方法です。

支援先の例:社長の頭の中にあった方針を、社員が動ける形にした話

ある製造業の支援先では、社長の頭の中に明確な方針がありました。「価格勝負はしない。手間のかかる小ロットを丁寧にやる」。ただ、それが言葉になっておらず、営業も現場も「安くしないと取れない」と思い込んでいました。

私たちがやったのは、新しいことを考えることではなく、社長の方針を「誰に・何を・どう届けるか」の1枚に落とし、営業資料とサイトの言葉を揃えることでした。すると、問い合わせの質が変わりました。「安くできますか」ではなく「こういうものは作れますか」と聞かれるようになったのです。

マーケティングコンサルの価値は、ゼロから何かを生み出すことより、すでに社内にある答えを「使える形」にすることにある。この例は、それを一番よく表していると思います。

外部を使うべき会社、使わない方がいい会社

ここまで読んで「うちにも必要かもしれない」と感じた方に、あえてお伝えしたいことがあります。外部を使わなくていい会社も、確かにあります。判断の軸は、自社に足りないものが何かです。

足りないのが「時間」なら実行代行、「知識」なら顧問、「判断」なら戦略設計

やるべきことは分かっているが、やる時間がない。この場合に必要なのは実行代行です。SNSの投稿、広告の運用、サイトの更新といった手を動かす部分を外に出せば、社内は本業に集中できます。

動ける人はいるが、何が正しいか分からない。この場合は顧問型が合います。月1〜2回の打ち合わせで方向を確かめ、社内の担当者が動く。知識の不足を補いながら、社内にノウハウが残ります。

そもそも何をすべきか、誰も決められない。この場合は、まず戦略設計をプロジェクトとして切り出すべきです。数か月で「誰に・何を・どう届けるか」を決め、その後の体制をあらためて考える。いきなり実行代行を頼むのは順番が違います。

マーケティング担当を1人採用する場合との比較

「外注するより、担当者を1人雇った方がいいのでは」というご質問もよくいただきます。これは半分正しくて、半分は危ういと感じています。

中小企業でマーケティング経験者を採用するのは、実際にはかなり難しい。採れたとしても、1人で戦略から実行まで回せる人は稀で、たいていは「SNSが得意」「デザインができる」といった一部の実行スキルを持つ人です。その人に戦略まで求めると、本人も会社も苦しくなります。

現実的なのは、戦略と判断は外部の経験者と一緒に決め、実行は社内の若手が担う形です。外部が「上司役」になることで、1人採用するよりも早く、安定して回り始めます。

外部に頼っても成果が出ない3つのパターン

一方で、外部を使っても成果が出ないケースには、はっきりした共通点があります。

ひとつ目は丸投げです。「任せたから後はよろしく」では、社内の判断が止まります。月1回の打ち合わせで決めることを決める、その時間だけは確保してください。

ふたつ目は、短期で見切ることです。マーケティングは、数字が動き始めるまで最低でも3か月、多くは半年かかります。1〜2か月で「効果がない」と止めてしまうと、何も残りません。

みっつ目は、社内に窓口がないことです。社長が多忙で連絡が取れず、他に決められる人もいない。この状態では、どんなに良い提案も止まります。窓口は社長でなくて構いません。決められる人が1人いれば十分です。

費用の考え方|相場より「回収」で見る

費用については、「相場はいくらか」より「何を取り戻せるか」で考えることをお勧めしています。とはいえ目安がないと判断できませんので、まず関わり方ごとの一般的なレンジをお伝えします。

顧問・実行代行・プロジェクト型の費用レンジ

顧問型は、月1〜2回の打ち合わせと随時の相談で、月額数万円から数十万円が一般的です。関わる頻度と、誰が担当するか(代表か、担当者か)で大きく変わります。

実行代行は、SNS運用や広告運用など施策ごとに月額が決まります。広告の場合は、広告費とは別に運用費がかかるのが普通です。「広告費込みで月10万円」のような話は、内訳を必ず確かめてください。

プロジェクト型は、戦略設計やブランド再構築など期間を区切った支援で、数十万円から数百万円まで幅があります。Practical Marketingの具体的な費用は料金ページに公開しています。相場との比較も載せていますので、他社と見比べる際の物差しにしてください。

費用対効果は「売上」より先に「判断のスピード」で表れる

「月○万円払って、売上はいくら増えるのか」。当然の問いですが、最初の数か月で表れる変化は売上ではありません。判断が速くなることです。

これまで社長が一人で悩んでいた「この投資はやるべきか」「この営業先は追うべきか」が、1枚の戦略に照らしてすぐ決まる。迷っている時間、やらなくていいことをやっていた時間、効かない広告に払っていたお金。これらが減ることが、最初の回収です。

売上はその後についてきます。順番を間違えると、本当は効いているのに「まだ売上が変わらない」と止めてしまう。費用対効果を見るときは、まず判断のスピードと無駄の削減から見てください。

補助金を使う場合に注意すること

小規模事業者持続化補助金など、販路開拓に使える補助金は多くあります。使えるものは使うべきですが、ひとつだけ注意があります。「補助金が出るから作る」を目的にしないことです。

補助金で作ったサイトやパンフレットが、誰に何を届けるためのものか決まっていないまま納品され、そのまま使われなくなる。この光景を、私は何度も見てきました。補助金は手段の費用を軽くするものであって、戦略の代わりにはなりません。

失敗しない選び方|初回相談で確かめる5つのこと

最後に、マーケティングコンサルを選ぶときに、初回相談で確かめていただきたいことを5つ挙げます。私自身が相談を受ける立場として「ここを聞いてほしい」と思う点でもあります。

1. 誰が担当するのか(代表か、担当者か)

相談に出てきた人と、実際に担当する人が違うことは珍しくありません。経験豊富な代表が営業し、実務は若手に引き継がれる。それが悪いわけではありませんが、知らずに契約すると期待とのずれが生まれます。最初に「誰が、どこまで関わるのか」を聞いてください。

2. 「できません」と言うか

何を聞いても「できます」と答える相手は、少し警戒した方がいいと思います。マーケティングには、やらない方がいいこと、その会社には向かないことが必ずあります。「それはお勧めしません」と言える相手の方が、長く付き合えます。

3. 成果の定義を最初に決めるか

「成果が出ます」の「成果」が何を指すのか。問い合わせ数なのか、商談化率なのか、客単価なのか。これを最初に一緒に決めようとする相手かどうかで、その後の関係が変わります。曖昧なまま始めると、半年後に「成果とは何だったのか」で揉めます。

4. 契約期間と解約の条件

年間契約で途中解約できない、という条件は、中小企業にとって負担が重すぎます。先ほど「短期で見切らない」とお伝えしましたが、それは縛るべきだという意味ではありません。合わなければやめられる条件で、それでも続けたいと思える仕事をするのが本来の姿だと考えています。

5. 自社の業界を知らなくてもよい理由

「うちの業界に詳しいですか」とよく聞かれます。正直に言えば、詳しくなくて構いません。業界の常識は、御社の方がはるかに詳しい。外部に求めるべきは、その常識を外から見て「お客様から見たらどう映るか」を問い直す視点です。

私がこれまで飲食、農業、製造、建設、士業、自治体と業種を越えて支援できているのは、業界知識ではなく「調べる・決める・動かす」の進め方が共通しているからです。業界経験を売りにする相手には、むしろ「その業界の常識に染まっていないか」を確かめてみてください。

まとめ|最初の一歩は「困りごとを言葉にする」こと

マーケティングコンサルがやることは、調べて、決めて、動かすこと。広告や制作は、その後に出てくる手段です。外部を使うかどうかは、自社に足りないものが時間なのか、知識なのか、判断なのかで決まります。

費用は相場ではなく回収で見る。そして選ぶときは、誰が担当するか、「できません」と言えるか、成果の定義を決めるか、契約条件、業界の外から見る視点があるか。この5つを初回相談で確かめてください。

そして、今の時点で「何を頼めばいいか分からない」なら、それをそのまま持ってきていただいて構いません。困りごとを言葉にするところから一緒にやるのが、私たちの仕事の始まりです。

よくある質問

マーケティングコンサルと広告代理店は何が違いますか?

広告代理店は「広告を出す」実行の専門家で、コンサルは「誰に・何を・どう届けるか」を調べて決めるところから関わります。広告が必要かどうかの判断も含めて相談できるのがコンサルで、広告ありきで話が進むのが代理店、と考えると分かりやすいです。

月額費用の相場はどのくらいですか?

顧問型で月額数万円から数十万円、実行代行は施策ごとに月額が決まり、プロジェクト型は数十万円から数百万円まで幅があります。担当者が代表か若手か、関わる頻度で大きく変わるため、金額だけでなく「誰が、どこまで」を確かめてください。Practical Marketingの料金は料金ページで公開しています。

社員が少ない会社でも依頼できますか?

できます。むしろ社内にマーケティング担当がいない会社こそ、外部を使う意味が大きいと考えています。Practical Marketingでは、調べて考えて作るところまで引き受け、御社には月1回の打ち合わせで判断していただくだけの形にしています。

成果が出るまでどのくらいかかりますか?

数字が動き始めるまで最低3か月、多くは半年が目安です。ただし最初の数か月で、判断が速くなる・無駄な施策や広告費が減るという変化は表れます。売上だけを見て1〜2か月で止めてしまうのが、最も多い失敗です。

地方の会社でも対応してもらえますか?

対応しています。これまで北海道から和歌山、長野、群馬、静岡、滋賀など各地の企業を支援してきました。打ち合わせはオンラインが中心ですが、現場を見ることが重要な局面では訪問します。

「何を頼めばいいか分からない」から、始めてください。

困りごとを言葉にするところから、Practical Marketingが調べて、考えて、提案します。
初回相談は無料、着手金はありません。

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