「近くの税理士」「横浜 外壁塗装」とスマホで検索すると、検索結果の一番上に地図と3つの店舗が出てきます。この3枠に入るかどうかで、地域の商売の問い合わせ数は大きく変わります。ここに入るための取り組みがMEO対策で、道具はGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)です。
この記事では、MEO対策を自分でやる手順、登録して終わりにしない運用、ホームページとの役割分担、「業者は必要か」の判断をまとめました。当社自身のプロフィールを立ち上げて確かめたことと、支援先のホームページ制作に合わせて整えてきた経験をもとに書いています。
この記事の要点
- MEO対策は費用をかけずに自分でできる。順位を動かすのは「クチコミ」「プロフィールの完全性」「ホームページとの表記の一致」の順で、裏技はない
- ビジネス名にキーワードを足さない、カテゴリは実際に提供しているものだけ、住所を出せない業種は非店舗型で登録する。この3つを守れば停止のリスクを避けられる
- Googleビジネスプロフィールは入口、ホームページは受け皿。業者に頼むなら「順位」ではなく「整える作業と続ける仕組み」を頼む
THIS ARTICLE
MEO対策は、この5ステップで「近くの〇〇」に選ばれる状態になる
1. 正しく登録する
ビジネス名は正式名称、カテゴリは実態どおり、住所は出す・出さないを決める
2. 表記を揃える
社名・住所・電話をホームページと一字一句揃える。他サイトの表記も直す
3. 写真と説明を埋める
人・場所・仕事の写真と、サービスの一覧。空欄を残さない
4. クチコミを集めて返す
見返りなし・一斉依頼なし。3つの質問を添えて頼み、48時間以内に返す
5. 続ける・数字を見る
投稿は週1本、月1回は表示回数と経路検索・サイトクリックを見る
MEO対策とは何か:「近くの〇〇」で選ばれる仕組み
MEOは「Map Engine Optimization」の略で、Googleマップと検索結果の地図枠で上位に出るための取り組みを指す日本独自の言葉です。仕組みを知っておくと、やるべきことが絞れます。
検索結果の地図枠に出る3店舗は、どう選ばれているか
「近くの整骨院」「高崎 税理士」のように地域や「近く」を含む検索をすると、通常の検索結果より上に、地図と3つのビジネスが並ぶ枠が出ます。ローカルパックと呼ばれる枠で、スマホでは画面のほとんどを占めます。4位以下は「さらに表示」を押さないと見えません。
この枠に出る情報源が、Googleビジネスプロフィールです。登録していない会社は、検索した人のすぐ近くにあっても候補に入りません。逆に、競合が少ない地域や業種なら、登録して内容を整えるだけで3枠に入ることもあります。
Googleが公表している3つの要素:関連性・距離・知名度
Googleは、ローカル検索の順位を決める要素として「関連性」「距離」「知名度」の3つを公表しています。関連性は検索語とプロフィールの内容がどれだけ合っているか、距離は検索した人の場所からの近さ、知名度はクチコミの数と評価、ウェブ上でどれだけ言及されているかです。
このうち、距離は自分では動かせません。動かせるのは関連性と知名度だけです。関連性はプロフィールの中身で決まり、知名度はクチコミと、ホームページや他のサイトでの表記の一致で決まります。MEO対策でやることは、結局この2つに尽きます。
代表の所感:効くのはクチコミ、プロフィールの完全性、表記の一致の順
マーケター歴27年、自社と支援先のプロフィールを整えてきた実感として、効き目の順番は「クチコミ」「プロフィールの完全性」「ホームページとの表記の一致」「他のサイトの表記の一致」「投稿と写真の継続」です。順位を上げる裏技を探すより、この順に地道に整えるほうが早く、しかも安全です。
業者の営業で「投稿を毎日すれば上がる」と言われることがありますが、順番が逆です。クチコミと基本情報が整っていない状態で投稿だけ続けても、ほとんど動きません。
MEO対策は自分でできる:Googleビジネスプロフィールの登録と基本設定
登録は無料で、Googleアカウントがあれば30分ほどで終わります。難しいのは操作ではなく、「何をどう書くか」の判断です。ここでは、後から直すのが大変な3つの判断を先に押さえます。
ビジネス名にキーワードを足さない
一番多い間違いが、ビジネス名に「横浜 外壁塗装 〇〇株式会社」のように地名や業種を足すことです。一時的に順位が上がることがあるため業者が勧めますが、Googleのガイドラインでは看板や登記上の名称と一致させることが求められており、違反するとプロフィールが停止されることがあります。
停止されると、クチコミも写真も一緒に消えます。積み上げたものを一度に失うリスクと一時的な順位を天秤にかければ、答えは明らかです。業種や地域は、カテゴリとサービス提供地域、説明文で伝えます。
カテゴリの選び方:メイン1つと、実際に提供しているものだけ
カテゴリは、関連性を決める一番強い項目です。メインカテゴリは「お客様が最初に探す言葉」で選びます。税理士事務所なら「税理士」、塗装会社なら「塗装業者」。会社の正式な業態ではなく、検索する側の言葉に合わせます。
追加カテゴリは、実際に提供しているサービスだけに絞ります。当社は「マーケティングコンサルタント」をメインに、「マーケティングエージェンシー」を1つ足しただけです。関係の薄いカテゴリを足すと関連性が薄まり、どの検索でも中途半端な位置になります。
住所を出せない業種の登録:非店舗型とサービス提供地域
自宅兼事務所の士業、出張型の修理業、訪問営業が中心の会社は、住所を公開したくないことが多いはずです。その場合は「非店舗型」として登録し、住所を非表示にしたうえで「サービス提供地域」を設定します。当社も自宅兼事務所のため、この形で登録しました。
サービス提供地域は欲張らないことが大切です。当社は当初、相談のあった地域を全国各地まで入れていましたが、地図の描画範囲が日本全土になり、「近くの」検索では逆に不利になりました。東京・神奈川・横浜市に絞り直しています。実際に動ける範囲に合わせるのが結果的に一番効きます。
ホームページとの役割分担:表記を揃え、書けないことはサイトに置く
Googleビジネスプロフィールは、検索した人が最初に目にする入口です。ただし、そこに書ける情報は限られており、詳しい説明や事例は結局ホームページで見てもらうことになります。入口と受け皿を同じ情報で揃えることが、MEOとホームページの両方に効きます。
社名・住所・電話の表記を一字一句揃える
Googleは、プロフィールの社名・住所・電話番号(NAPと呼びます)が、ホームページや他のサイトの表記と一致しているかを見ています。「株式会社」と「㈱」、ビル名の有無、電話番号のハイフン、全角と半角。人間には同じに見えても、機械には別の会社に見えることがあります。
当社のサイトでも、フッターの社名表記を「株式会社」付きに直し、会社概要ページと構造化データ(検索エンジン向けの会社情報の記述)を同じ表記に揃えました。地味な作業ですが、プロフィールを作る前にホームページ側を点検しておくと、後の手戻りがなくなります。
支援先の例:士業事務所のサイト制作で、載せる情報と載せない情報を先に決めた
地方の士業事務所のホームページを制作したとき、最初に決めたのは「サイトとプロフィールに何を載せ、何を載せないか」でした。住所、電話番号、最寄り駅からの徒歩分数は両方に同じ表記で載せる。営業時間と駐車場の台数は、変わる可能性があるので載せない。この線引きを先にしておきました。
載せない判断も大切です。営業時間を載せて実態とずれると、「閉まっていた」というクチコミになります。載せるなら必ず守れるものだけ、迷うなら載せない。表記の一致とは、載せた情報を揃えることです。
Q&AはAIの回答に変わった。よくある質問はホームページ側に置く
以前はプロフィールに「質問と回答」の欄があり、オーナーが自分でよくある質問を載せられました。当社が登録した時点では、この従来型のQ&Aは提供されておらず、Googleマップの「質問」はAIが回答する形になっていました。オーナーが答えを用意しておく場所ではなくなっています。
そこで当社は、よくある質問をホームページ側に、FAQ用の構造化データ付きで載せる方針にしました。Googleはホームページの内容も読んで関連性を判断しますし、AIの回答もウェブ上の情報を元にします。プロフィールに書けないことは、ホームページに書いておけば届きます。
クチコミの集め方と返し方:見返りなし、一斉依頼なし、48時間以内
一番効くのがクチコミで、一番やり方を間違えやすいのもクチコミです。数を急ぐと、不自然さがGoogleにも見ている人にも伝わります。当社が自社と支援先で決めているルールを紹介します。
依頼は1〜2週に1〜2件、例文を渡さず3つの質問を添える
クチコミは、お客様に直接お願いして構いません。ただし、一斉にメールで頼むのではなく、1〜2週に1〜2件のペースで、取引のあった相手に個別に頼みます。短い期間に大量のクチコミが付くと、不自然な動きとして扱われることがあるからです。
頼むときに例文を渡すのはやめてください。似た文章が並ぶと、読んだ人が一目で分かります。代わりに「どんな状況で相談したか」「何をしてもらったか」「何が変わったか」の3つの質問を添えます。この3つに答えてもらうだけで、検索した人が知りたい具体的なクチコミになります。
返信の書き方:個人名で、社名を連呼せず、低評価にも48時間以内
クチコミには48時間以内に必ず返信します。返信は、検索した人が「この会社はどう応対するか」を見る場所でもあります。当社では署名を代表の個人名にし、本文に社名を入れないと決めています。社名をキーワードのように繰り返す返信は、読む人には営業文に見えるからです。
低い評価が付いたときこそ、48時間以内に返します。言い訳や反論ではなく、事実の確認と、改善したことを短く書きます。低評価への返信は、その相手に向けた文章ではなく、これから相談しようとしている人に向けた文章です。
やってはいけないこと:サクラ、社員や家族、割引と引き換え
クチコミを買う、社員や家族に書かせる、割引やプレゼントと引き換えに頼む。どれもGoogleのポリシー違反で、削除や停止の対象になります。さらに、消費者庁のステルスマーケティング規制の対象にもなり得ます。「クチコミ代行」を掲げる業者は、この一線を越えています。
登録して終わりにしない運用:写真・投稿・月1回の数字
基本情報とクチコミが整ったら、残るは続けることです。大切なのは負担を増やさないこと。続けられない運用は、止まった瞬間に「更新されていない会社」に見えます。
写真は「人・場所・仕事」の3種類。宣伝画像は投稿で使う
写真の欄には、代表や社員の顔、事務所や店舗の様子、仕事の現場の3種類を入れます。検索した人が「どんな人が、どこで、何をしているか」を確かめられる写真です。当社はロゴ、人物の入っていないカバー画像、代表の写真3枚に絞りました。
実績の一覧やキャンペーンの画像は、写真の欄には入れず、投稿で使います。写真の欄はプロフィールの「顔」で、宣伝画像が並ぶと検索した人が引きます。当社も一度は実績カードを写真に入れましたが、外しました。
投稿は週1本で十分。冒頭に結論、地名と業種を1回ずつ
投稿は週1本あれば十分です。当社は毎週木曜と決め、300〜600字で、冒頭に結論、本文に地名・業種・サービスの言葉を1回ずつ入れ、ボタンでホームページの該当ページに飛ばしています。毎日投稿する必要はなく、曜日を決めて続けることのほうが大切です。
投稿のネタは、Instagramやブログと共通で構いません。同じ素材を媒体ごとに書き分ければ、負担はほとんど増えません。Instagramも使う会社なら、「中小企業のInstagram運用」の記事で書いた設計の順番がそのまま使えます。
月1回見る数字:表示回数、経路検索、通話、サイトへのクリック
管理画面では、検索で表示された回数、経路検索の回数、通話の回数、ホームページのクリック回数が見られます。順位ではなく、この4つを月に1回見てください。順位は検索する人の場所で変わり、追いかけても意味がありません。
表示回数が増えているのにクリックや通話が増えないなら、写真かクチコミに課題があります。クリックは増えているのに問い合わせがないなら、受け皿であるホームページに課題があります。数字の見方が決まると、次にやることも決まります。
MEO業者は必要か:頼むなら何を頼み、何を頼まないか
MEO対策に専門的な技術はほとんど要りません。それでも業者に頼む価値がある場面と、頼んではいけない相手があります。
頼んで意味があるのは「整える作業」と「続ける仕組み」
意味があるのは、初期設定の判断(カテゴリ、非店舗型の扱い、サービス提供地域)、ホームページとの表記の点検、クチコミの依頼ルールと返信の型づくり、投稿を続ける仕組みの設計です。一度整えれば、あとは社内で回せます。
月額で順位を見守ってもらう契約は、多くの場合、払う価値がありません。見守るだけなら、管理画面の数字を月1回自分で見れば済みます。頼むなら「整えて、やり方を残して、手を離す」形を選んでください。
「順位保証」「クチコミ代行」「キーワード入りの名前」を勧める業者は避ける
順位はGoogleが決めるもので、誰にも保証できません。保証を掲げる業者は、ビジネス名へのキーワード追加やクチコミの水増しなど、停止のリスクを会社側に負わせる手を使っていることがあります。停止されたときに困るのは業者ではなく、会社です。
見分け方は簡単で、最初の打ち合わせで「ホームページの表記」と「クチコミの集め方」の話が出るかどうかです。この2つに触れず順位の話だけをする業者は、避けたほうが安全です。
当社の関わり方:ホームページ制作とセットで、入口と受け皿を揃える
当社では、MEOだけを単独で請けることはあまりなく、ホームページの制作や改修に合わせてGoogleビジネスプロフィールを整えています。入口と受け皿を同時に設計したほうが、表記が揃い、載せる情報の線引きも一度で済むからです。
自社のプロフィールも、「他の会社に見せられる正しい形」を目指して、住所非表示の扱いからクチコミのルールまで一つずつ決めてきました。この記事に書いたことは、すべて自分で試したことです。まずはご自身で登録し、カテゴリと表記を整えてみてください。迷った箇所があれば、そこから一緒に考えます。
よくある質問
MEO対策は自分でできますか?費用はかかりますか?
できます。Googleビジネスプロフィールの登録・運用は無料で、専門的な技術も要りません。必要なのは、ビジネス名を正式名称にする、カテゴリを実態どおりに選ぶ、社名・住所・電話番号の表記をホームページと揃える、クチコミを少しずつ集めて返信する、という判断と継続です。費用がかかるとすれば、ホームページ側の表記修正や、写真の撮影くらいです。月額で順位を見守る契約は、多くの場合必要ありません。
ビジネス名に「横浜 外壁塗装」のようなキーワードを入れてもいいですか?
入れないでください。Googleのガイドラインでは、ビジネス名は看板や登記上の名称と一致させることが求められており、地名や業種を足すと違反になります。一時的に順位が上がることがあっても、停止されるとクチコミや写真も一緒に失います。地域や業種は、カテゴリ、サービス提供地域、説明文、ホームページの内容で伝えます。
自宅兼事務所で住所を公開したくない場合、登録できますか?
できます。「非店舗型(お客様のもとへ出向くビジネス)」として登録し、住所を非表示にしたうえで、サービス提供地域を設定します。士業、出張修理、訪問営業が中心の会社はこの形が向いています。サービス提供地域は、実際に動ける範囲に絞ってください。広げすぎると地図の表示範囲が広がり、「近くの」検索で不利になります。登記上の住所は法人番号公表サイトなどで公開されているため、隠しても他では見える前提で考えておくと安心です。
クチコミが少ない、または低い評価が付いたときはどうすればいいですか?
少ないときは、取引のあったお客様に個別に、1〜2週に1〜2件のペースで頼みます。例文は渡さず、「どんな状況で相談したか」「何をしてもらったか」「何が変わったか」の3つの質問を添えると、具体的なクチコミになります。低い評価が付いたときは、48時間以内に、言い訳ではなく事実の確認と改善したことを短く返信します。その返信は、これから相談しようとしている人が読むものだと考えてください。クチコミを買う、社員や家族に書かせる、割引と引き換えに頼むことはポリシー違反で、停止の対象になります。
MEOとホームページ(SEO)は、どちらを先にやるべきですか?
地域のお客様が相手なら、Googleビジネスプロフィールの登録と基本情報の整備を先に、ただしホームページの社名・住所・電話番号の表記を点検してから進めてください。プロフィールは入口、ホームページは受け皿で、表記が揃っていないと両方の効きが落ちます。プロフィールから来た人が確かめるのはホームページなので、事例やよくある質問はホームページ側に置きます。両方を同時に整えるのが理想で、当社ではホームページの制作や改修に合わせてプロフィールを整える形を取っています。
Googleビジネスプロフィールとホームページを、同じ情報で揃えませんか。
カテゴリ・表記・クチコミのルールづくりから、受け皿になるホームページの改修まで、Practical Marketingが調べて、考えて、提案します。
初回相談は無料、着手金はありません。




